I.O.R.例会 受講記
I.O.R.修学旅行(沖縄例会2019)受講記
北海道旭川市 杉村歯科医院 杉村 拓三
2019年6月29日,I.O.R.修学旅行 沖縄例会が開催されました. 今回沖縄での初開催となりました.表題は「ゆいまーる あいおーあーる」.幹事の友寄先生が挨拶でも述べられていたように,I.O.R.の先生方の繋がり,団結力,助け合いの精神がゆいまーるという言葉にたっぷりと表れた会になったと思います.
I.O.R.修学旅行の特徴として,開催地の歴史や文化を学ぶ講演があります.第一部は, ご自身が当時4歳でいらした高良政勝先生による対馬丸撃沈事件のご講演から始まりました.事件の背景や当時の状況,沖縄戦の様相など,当時の手紙や証言など生の声を聞く滅多に無い機会となりました.沖縄では非戦闘員である民間人,特に小さな子供の命が多く失われたことに衝撃を受けました.また,地元沖縄の高良孔明先生からは,「歯科診療所の外から」と題して,医療・介護の現場と歯科医院の関わりや,歯科治療と口腔ケアがいか誤嚥性肺炎やサルコペニアを防ぐかなど,他職種連携の中での歯科の役割,重要性をデータと共にわかりやすく講演して頂きとても勉強になりました.
第二部は会員発表でした.昨年のG.A.S第3期受講生の発表や,臨床で遭遇するであろう症例に対する熱い質疑応答,ディスカッション,学会発表を見据えた予演会や,普段あまり聞くことができない口腔内写真撮影の発表など,これぞI.O.R.といった,科学者としての見解,臨床家としての経験や問題提起など刺激的で充実の内容となりました.会員の先生方の発表は皆非常にわかりやすく,聞き手に伝わるようしっかりと工夫されていると感じ,とても勉強になりました.
続いては,会員の家族やスタッフも交えて民謡居酒屋での懇親会です.那覇市開業の金城清一郎先生も駆けつけて下さいました.
民謡ライブで盛り上がり,まさかの竹下先生独唱コール&レスポンスという大盛況のうちにあっと言う間に楽しい時間は終わり,ホロ酔いで例会第2部後半戦に突入.ホテルのラウンジを貸し切っての開催で,ここでもプライドを賭けた提言や熱いディスカッションが繰り広げられ,大盛り上がり.トリを務められた徳島県の内藤先生は開業までの1年を振り返り,I.O.R.の先生方へ感謝溢れる心温まる発表をされ,全てのイベントが終了.短くも熱い1日があっという間に終わり,本当に充実した例会となりました.
例会に参加させて頂いたことで,新しい出会いがあり,学びがあり,思い出がたくさんできました.
友寄先生をはじめお忙しい中準備を進めて頂いた先生方,開催にご尽力頂いた関係諸氏にこの場をお借りして感謝申し上げます.
来年は伊勢開催となります.また皆様にお目にかかれるのを楽しみにしております.
I.O.R.修学旅行(いわき例会2018 )受講記
古賀天神歯科クリニック えがお こども歯科 江上 将司
今回の第4回修学旅行は福島県いわき市で行われました.
廉隅先生をはじめお忙しい中,準備頂きました方々に感謝申し上げます.
毎年天候に恵まれるI.O.R.例会ですが,今年は前日からの大雨で大きく遅れが出るのではないかと不安の中始まりました.FaceBookの連絡版には朝から交通の遅れなどが書き込まれ,それをもとに幹事の方々が指示を下さいました.そのため大きな混乱もなくスムーズにホテルまで到着することができました.このI.O.R.の団結力には感動しました.
ホテルに到着後すぐに例会の始まりです.発表者は宮崎先生,石黒先生,工藤さん,友寄先生です.コースの発表とはまた違った内容,雰囲気で刺激的でした.特に友寄先生の術前の消毒時に発生したアクシデントの話は大変興味深く聞かせて頂き,私のクリニックでもすぐにミーティングで確認し,今後ミスが起こらないようにシステム作りを行いました. 夕食,お風呂の後はフラダンスショー観覧でした.出演のフラガールの女性は福島の復興の心の支えになったものでダンスの迫力に圧倒させられました.またダンスを見ていると7年前の震災を思い出しました.テレビで見ていた被災地が今ではこうやって私たちを元気にしてくれていることに色々と考えさせられました.
ショーも終盤を迎え子供達がステージに上り楽しくエンディングです.のはずが,武末先生,風間先生が裸で踊っています.しかもセンターで(爆)そのパフォーマンスはI.O.R.会員はおろか全てのお客さんが大爆笑でした.間違いなく今回の例会の最高潮はこの瞬間でした.(ラウンジの林田先生のYMCAも最高でしたが文字数の制限で省略します)大爆笑で疲れ切った会員は夜の例会へ.インプラントの話からスタッフ教育の話など多くの意見が交換され大いに盛り上がりました.
2日目は特別講演会でホテルオーナーから震災講話をしていただきました.初めて聞く震災から現在までの苦難の道のり.ただその中心にはいつもフラガールがあり,地域の心の支えになって今があるのだなと思いました.
ここでは書ききれないほどたくさんの思い出ができました.また新しくたくさんの先生に知り合うこともできました.
来年は沖縄ですが,幹事として盛り上げていきたいと思います.
I.O.R.修学旅行 岐阜2016 歯科医師人生を見直す旅 ~白川郷、長良川鵜飼を通して~ 参加記
神奈川県 又吉歯科医院 又吉 誉章
2016 今年のI.O.R.修学旅行は,岐阜 長良川の鵜飼 世界遺産の白川郷と,盛り沢山な計画が発表されると,行ったことの無い私は,数か月前からワクワクしていた。
7 月2 日,岐阜駅から寂れた町を抜けタクシーで15分,趣のある宿に着いた。宿の名は「十八楼」創業1860年の歴史ある宿である。くじで部屋割りが決まる方式で,早速ドキドキしながら自分の部屋へ向かった。そこには,例会発表がある三隅先生・柴田先生と,マイペースなマジック林田先生がおり,緊張と緩和の織りなす何とも言えない雰囲気の部屋であった。
宿のすぐ横が屋形船の発着所になっており,鵜飼についての歴史を10分ほど聞いた後,屋形船に乗り込んだ。鵜飼が始まるまで,酒を飲みつつ,学術的な話や下の話で盛り上がり,すっかり辺りが暗くなった頃に,鵜飼の船が上流から松明の灯りと共にやってきた。少し遠いので,鵜が魚を捕らえる所は見えなかったが,皆声をあげて盛り上がった。21時に船を降りた後,温泉で,文字通り裸の付き合いをして楽しんだ。
ここまでが序章で,この後I.O.R.の長い夜が始まった。
22時,例会。まず,榊原先生が,インプラント周囲に生じた歯肉退縮に対するリカバリーを発表。沖縄でのPRIFで発表した内容で,いつもながら高い技術である。次に,定村先生が,自院がどのようにステップアップし,患者の待ち時間を少なくするためにどうすれば良いかの発表をした。医院の成長のために,非常に興味深い内容であった。 3 人目は,柴田先生 食事を変えることで歯周病予防ができると,皆とは違う視点からの発表で,今後の展開が楽しみであった。最後に,石黒先生が自身の10 年間のインプラント治療を振り返り,各症例を記録することの重要さを発表した。
例会1 日目が終わったのが24時,これでお開きと思いきや,裏例会なるものが1 室で始まった。小久保先生が,鵜匠の恰好で司会をし,墨先生がトラブル症例のパノラマ等を提示し,自分ならどうするかを問う形式である。酒も進んでいるので,酔いながらの討論である。しかも500円を払わないと発言できないシステム。様々な意見が出て,何が正解かなど決まっていないが,こういった討論がI.O.R.の強み。集まったお金は,震災のあった熊本組への寄付となり,心温まるサプライズとなった。気づけば, 2 時半。長い一日が終わった。
例会2 日目, 8 時から開始である。トップバッターは,内藤先生。徳島大学で行なってきた研究から,震災時などで身元確認を簡便にする歯科システム構築について講演していただいた。大学人として,我々開業医と違う立場からの大変有意義な講演であった。
次に,三隅先生がマイクロスコープを用いた歯内療法おけるCTの重要性について発表した。三隅先生と言えばマイクロという感じで,いつも興味深い症例を出してくれ,勉強になった。
3 人目は,伊藤先生。院内のシステムについての発表で,ドクター1 人で驚異的な患者数を診ているコツを発表。多くの先生が,びっくりしたことと思われる。ラストは,坪井先生と藤田先生。AOで発表した内容を英語でスマートにプレゼン。若い先生の発表は,メンバーにとって非常に刺激になった。例会発表の良い所は,プレゼンを作ることで,自分の治療を顧みて,勉強し,次に活かしていけることだと思う。
10時に例会が終わり,世界遺産の白川郷へ向け観光バスで出発である。道中,廉隅先生が医院の発展の歴史を発表してくれ,自分も頑張らなきゃいけないと改めて感じさせられた。長いバスでの移動後,世界遺産の白川郷へ到着。食堂で飛騨名物の朴葉味噌焼きを食べた後,合掌造り集落の散策である。広大な敷地に,合掌造りの古民家が点在しているのだが, 3軒の古民家が並んだ有名なスポットが何処にあるのか分からない。皆,疲れているので,そこを目指す人がいなかったが,どうしても見たかった私は廉隅先生と平島先生を無理矢理引き連れ,そこを目指した。人もまばらになってきた時, 2 人がその辺の古民家を,「もうこの古民家でいいんじゃないですか?」というのを聞こえないふりして,さらに突き進んだ。そうすると,一番進んだ所に,その3 軒の古民家が並んだ素晴らしい景色が目に飛び込んできた。感動である。 2 人も,満足気である。行って良かった。結局,この景色を観たのは,3 人だけであった。白川郷へ行った際には観ていただきたい。
このように,I.O.R.修学旅行は,盛沢山な内容となっているので,是非とも皆さんに参加していただきたい。
最後に,今回の素晴らしい修学旅行を企画していただいたI.O.R.名古屋のメンバーに感謝申し上げ,来年のI.O.R.熊本企画の「I.O.R.修学旅行 in 熊本:天草 2017~さらば涙 いつか泣いた数だけ幸せになる~」が今から楽しみで仕方ない。
I.O.R修学旅行(天草例会2017)受講記
東京都 はやしだ歯科 林田 真治
2015年第1回修学旅行(福岡県門司港例会)、2016年第2回修学旅行(岐阜県長良川例会)に続き、今年で第3回目となるI.O.R修学旅行は九州の会員の先生方のお世話のもと「島原の乱」の首領、益田四郎時貞(天草四郎)の出身地である熊本県天草市で行われました。
門司港、長良川と素晴らしい例会だったこともあり、私は今回の例会も楽しみにしておりました。
第1日目 7月22日(土)
熊本阿蘇空港から天草に車を走らせる約2時間半の車中もワクワクしっぱなしで、まさに修学旅行の気分でした。九州の強い日差しと濃い影に初夏を感じながら、集合場所の松島観光ホテル岬亭に到着。チェックインを済ませ、フロントがある1階の喫茶スペースで後続の先生方を待ちつつ、しばし談笑となり、すでに始まっていた小さな酒盛りに加わることとなりました。すぐに日頃の臨床談義などで盛り上がりはじめ、午後7時いよいよI.O.R天草例会開始となりました。天草四郎に扮した竹内先生の開会の挨拶、そして児玉先生による乾杯で開宴。しばしの間食事をとりながらの歓談となりました。
その後、I.O.Rに新たに加入され、この修学旅行にも初の参加となる武末先生、風間先生の紹介と挨拶があり、いよいよ例会1(会員発表 座長:船木先生 友寄先生)が始まりました。
会員発表1番目は風間先生によるβ-TCPパウダーとエアアブレージョンを使用したインプラント周囲骨欠損のリカバリーの症例検証とその予後の報告。2番目は篠崎先生による臼歯部中間歯欠損症例にシンプラントガイドとCAD/CAMアバットメントを応用したインプラント補綴症例の報告及びガイデッドサージェリーにおける注意点の喚起。3番目は竹内先生による装着様式毎の無歯顎インプラント補綴の検証と、衛生士によるプロフェッショナルケアに関する調査及び、装着様式毎の患者様満足度の調査結果の報告。続いて4番目に定村先生による10年間のインプラント臨床の振り返りとアバットメント別の比較検証の報告。そして最後5番目の新谷先生によるインプラント手術(主に抜歯後埋入・即時負荷)における自己生体由来移植材の治療成績と治療の際の様々な工夫の発表があり、非常に濃い内容の例会1となりました。
質疑応答もI.O.R.のこだわりを感じる鋭い質問が多く出て、熱い論議が繰り広げられました。発表内容のバリエーションの豊富さに驚くとともに、I.O.R会員のレベルの高さを痛感させられました。
その後、一時間ほどおいて例会2が開始となりました。こちらはラウンジにて各々、自由に歓談という形式がとられ、例会1の議論の続きはもちろんの事、普段なかなか触れ合えない遠くの先生同士が交流し情報交換できる大変貴重な時間となりました。
更に夜も更けるころ、場所を変え「行列ができる経営相談所」と題しコメンテーターには定村先生と光田先生、司会進行は三隅先生という形式で、修学旅行名物の"裏例会"が始まりました。
日々の診療の中で生じる様々な経営上の問題や、人事マネージメントの話など、皆が聞きたい話で満載の裏例会となり、質疑応答もI.O.R.らしい掛け合いが繰り広げられました。
かくして裏例会も大盛況のうちに終了。大変内容の濃い1日となりました。
第2日目 7月23日(日)
睡眠不足を跳ねのけ、早朝から例会3(予演会・特別講演会 座長:墨先生)が開始されました。三橋先生のインプラント学会ポスター発表予演会(両側下顎臼歯部遊離端欠損へのインプラント補綴が口腔機能回復に効果的であった症例の報告)後、熊本県出身の武末先生による天草例会特別講演会「口腔内スキャナーと接着・マテリアルの今」が行われました。
進化を続ける光学印象、製品ごとの特長や、注意点などを分かりやすく解説してくださるとともに、CAD/CAMを臨床で活用するための具体的なヒントが随所にちりばめられた内容となり、質疑が相次ぎました。これからのI.O.R.に、新風が吹き込まれた講演でした。
名残惜しいですが、ここで例会はすべて終了。
修学旅行もいよいよ終盤に差しかかりました。
皆で中庭にて記念撮影を行った後、修学旅行最後のイベントである有明海イルカウォッチングへ。この日は快晴で日差しは強めでしたが、海風を受けながらイルカウォッチングに船で向かうには最適な天気でした。船に揺られること40分。到着した海域はイルカにとって天敵のいない環境で、年中イルカを見ることが出来る日本でも数少ないイルカウォッチングの名所です。家族単位で群れになり海上をジャンプしながら泳ぐ野生のイルカの優雅な姿を間近で見て、感動の歓声が船上に響き渡りました。
多くの知識と思い出をお土産に現地解散、修学旅行は幕を閉じました。学術もレクレーションも手を抜かないI.O.R.のパワーを感じた2日間となりました。
九州エリアの会員の先生方や、ご協力いただいた企業の皆様、事務の方には、この修学旅行を早い段階から準備していただき、また、盛り上げていただいたことに感謝申し上げます。
次期の修学旅行は、福島いわきで開催することが決まっております。毎年進化をし続ける修学旅行。来期も今年以上の思い出と、知識を詰め込んだ内容になる事間違いなしと確信しております!
第8回I.O.R.例会 in 門司港 2015 ~朝まで生プレゼンやっちゃいますか~
墨 尚
毎日、暑い! さて、2015年、我々I.O.R.の熱くて暑い夏は北九州は門司港で幕を開けた。題して、【第8回I.O.R.例会 in 門司港 2015 ~朝まで生プレゼンやっちゃいますか~】
7月4日、例会は国指定重要文化財三井倶楽部(福岡県)を貸し切り、河豚の会食を頂きながら約40名の会員の参加をもっての中で始まった。
トップバッターは藤澤くん。インプラントアンカーを用いた矯正治療。矯正治療には門外漢な私はとにかく一字一句ついていくのに必死だったし、予定時間を大幅にオーバーした彼の講演はとにかく場の空気を一気に暖めた。続いて、河村くん。Visual Analogue Scale(V.A.S.)を用いた、自身と経験豊富な歯科医師らのアンケート結果と比較。インプラント治療を志す者すべてが通るであろう術者の「へたれ」な気持ちをズバっと切り取った。学会に提出するなど、ここからの展開に期待したい。そして、賀代ちゃん。自分年表を作成し、己の歯科医師人生を振り返り、未来を見つける。実際、手書きの年表から2014-15年にかけて飛躍な予感がプンプン匂う、彼女ならではのソコにいるものすべてを巻き込む発表は圧巻であった。初日のトリは平島くん。セメント固定式とスクリュー固定式の比較と工夫した上部構造。この難題に自身の工夫を交えた講演はI.O.R.が目指すイノベーションのまさにとっかかりな気がする。この難題に関しては、11月の補綴コースで、深く切り込みたいと思っているので、また話を交わしましょう。そして、この後、賀代ちゃんが脱ぐ!(着る?)というとんでもないPVが披露され、大盛り上がりのまま、海賊船を貸し切った2次会へと場を移した。そこでは思い思いのディスカッション、またプライベートな会話まで、酒の酔いに船酔いもプラスされたのか、やっぱこの雰囲気がI.O.R.だね、と、まぁ想像通りの展開である。
2日目、朝イチは又吉くん。次々週に行われる沖縄でのPRIFでの発表を見据えた英語での予演会を兼ねた発表。矯正治療患者においてのインプラント埋入のタイミングは「先か後か」。難しい問題ではあるが、「条件さえ許すのであれば先!」と、ここでもPRIFでも一歩も引かずに言い切る姿勢に感銘を覚えた。次に登壇したのは三隅くん。エンド+マイクロスコープ+MTAという最先端トピックスを彼らしい探求心で深く掘り下げた複数ケースを用いてプレゼンテーションした。さて、続いてガイドでジョージ(藤田譲治)。ガイドの誤差、誰もが不安視するその誤差を三角関係と三角関数を用いて情熱的かつ理路整然と説明した。この分野は日進月歩で進歩する。この研究は時代をリードする可能性を秘めていると思うので、これに満足せず、どんどん出していってほしいと思う。そして、トム。多くの歯科医師がスタッフ採用と育成について頭を悩ませている現実を指摘し、個別に悩みを相談しあい、悩みを共有することの大切さ、また、そうすることで集客セミナーなどに頼らずとも健全経営は可能だ!という事実を自身の経験・挫折から、またそのディスカッション風景を撮影した動画を交えながら熱っぽく語った。最後に、タージン(友寄泰樹)。さすが二日間の大トリ。上顎洞炎の治療後にインプラントを埋入した2症例の発表は口腔外科出身の彼ならでは。ユーモアと治療センス・スキルの高さは、彼らしく控えめな口調の中にもひしひしと伝わり、トラブルを起こさないために、と患者に対する熱い思いのこもった非常に濃い発表だった。
今回の例会だけでなく、我々I.O.R.では、全ての発表において、「学会形式で」というスタイルにこだわっている。これは、既存のケースプレゼンテーションにはない、深い洞察と探求心を養うため、また、発表することが目的ではなく、その過程が大切だということの表れとして、また全ての歯科医師が同じように情報を共有していくための手段であり、将来その成果を学会誌なりの論文で発表する際のツールとして活用していきたい、と願うからであるが、今回の例会では、全ての演題において、それが徹底し、あたかも本当の学会会場にいるのかという錯覚にとらわれるほどの(1日目は酒飲みながらだったけど…)内容の充実さに、これほどI.O.R.の若手を頼もしく思ったことはない。
午後からは今回の例会をほぼ1人でオーガナイズしてくれた、たま(児玉崇先生)の、なんと例会の前日が内覧会というオープンしたての歯科医院を全員で見学した。たま、忙しい中ホントにありがとうございました。その後、関門海峡を渡り下関へ。昨日からずっと一緒なのにまた輪になって昼食を食っても話題が尽きない。こんな仲間が、全員で研鑽しチーム全体のボトムアップを図ろうとするI.O.R.が僕は大好きだ。
I.O.R. 第4回特別講演会、第6回例会に参加して
あいグローデンタルクリニック 石黒 慎太郎
平成26年6月8日(日)愛知県名古屋市、ウインクあいちにてI.O.R. 第4回特別講演会、第6回例会が開催されました。今回は、初の名古屋開催で私の地元での開催でしたので、このような機会は中々ありませんので、ありがたく参加させていただいた次第であります。
午前の部は、特別講演会として、横浜総合病院歯科口腔外科 今村栄作先生による、~併発症から学ぶoral surgeryのエッセンス~ と題しご講演頂きました。
まず普段開業医では中々見ることの出来ない症例の数々に、さすが口腔外科救急の第一線でご活躍されている先生だ!と思い、前日の懇親会でのお酒も吹っ飛ぶ感じで、目が見開いたのを覚えています。インプラント治療をはじめ、炎症、外傷、抜歯時の併発症、BRONJ患者の対応など、様々な口腔外科での考えられる併発症の症例写真を拝見し、拝聴していくにつれて口腔外科でおこっていることという見方から、日々の臨床の先におこっていることという見方に変わった瞬間、"うわっ恐っ"と思い、私たちが取り扱う領域は、常に危険と隣り合わせなんだと改めて学び、解剖学の大切さ、無知の恐ろしさを改めて痛感し、身の引き締まる思いでした。今後、日々の臨床にしっかりと反映させていこうと思います。
午後の部は、4名の会員の先生方による発表でした。インプラント治療に対する各々の切り口で発表され、すべてとても興味深い内容の数々でした。皆さん患者さんのためにできることを常に考えてみえるんだな?と感じ、同じ会員として私も頑張らねばという気持ちになりました。
最後に、今回参加出来たことに感謝いたします。ありがとうございました。
I.O.R. 第4回特別講演会 第6回例会(名古屋) 受講記
ハロー歯科 竹下 修二
I.O.R. 第4回特別講演会 第6回例会を受講してきました。
当日は、快晴で初夏の兆しを感じました。いつも例会に行く時は天候も良く九州から参加する身としてお天道様に感謝です。
特別講演は 今村 栄作先生による?併発症から学ぶoral surgeryのエッセンス?でした。
解剖のおさえておきたい所や手技のツボを直に拝聴できた事は幸いでした。
また BRONJの腐骨分離を促す療法として”テリパラチド補助療法”を知り得たことは収穫です。
会員の先生方の発表は興味深く、ぜひ自院でもパクらせていただこうと思いました(^-^)
名古屋に行くのは十余年前、月星先生のCEセミナーを受講して以来です。
当時は、歯科医師免許は取得したけど診療の右も左も分からず、迷惑をかけていました。
兄に薦められ受講し、ついていけるか不安でしたが、熱気溢れる講義や実習を受けるにつけコースが終わる頃にはすっかり臨床の面白さを知らされました。
あのときは、名古屋駅前のビル群が非常に威圧的に感じられましたが、今回は青空にバックに清々しく感じられました。
思い出深い当地を訪れる事も出来、初心を思い出す良い機会となりました。
年末の、特別講演会も濃い内容になりそうです。ぜひ参加したいと思います。
先生方ありがとうございました。
I.O.R. 第4回例会を受講して
東京都 定村歯科医院 定村正之
平成25年12月12日、御茶ノ水 ソラシティカンファレンスセンターにて、I.O.R.第4回例会が開催されました。 年に2回開催される例会では、I.O.R.の広い人脈から、外部講師を招聘し、インプラント治療のレベルアップに直結する貴重な話を講師の先生から聞くことが出来ると同時に、様々な内容からなるI.O.R.会員発表を聴講することが出来るボリューム感のある勉強会になっております。
今回の例会では、九州歯科大学口腔内科学 講師 宮本郁也先生の「インプラントのための顎骨、歯槽骨の基礎的臨床的検討」の講演を午前中聴講いたしました。
巷にあふれる様々な情報に対して、どのような姿勢で情報を受け止め、解釈するべきか、という興味深い内容のお話から始まり、口腔外科・インプラント治療で取り扱う顎骨の挙動、注意点などを様々な貴重な症例写真と共に解説していただき、日々の臨床でインプラントなどの外科処置を行う際に、どのような事を考え、注意しながら治療に当たらなければならないか、多くの情報を提供していただく事が出来ました。
いくつもの強烈なメッセージがありましたが、私が個人的に強く印象を受けたのは「骨量、骨密度は良好であっても、骨質が病的である場合があり、初期固定を得ることが出来た症例でも、長期的には問題を発生することがある」というメッセージでした。
インプラント治療の失敗を初期段階での失敗と、後期の失敗に分けての詳しい説明は、今後のインプラント治療の経過を見ていく中で、多くの視点をもってトラブルに対応することが出来るヒントとなり、難しい話ではありましたが、非常に勉強になりました。
午後からは、会員発表が行われました。
又吉誉章先生からは「開業医における小外科・インプラント ここに注意!」というタイトルで発表をしていただき、口腔外科医の立場から、小外科やインプラント治療上で遭遇する可能性のある様々なアクシデントへの対応や、レントゲンの見方、治療テクニックなどを披露していただきました。非常にボリュームのある内容でしたので、いつか、じっくり時間をかけて、再聴講したいと感じた次第です。
続く発表は、不肖、私が「インプラント治療から学んだこと インプラント周囲炎への対応」という事で発表を行いました。まだまだ、知識も技術も未熟な私に、講演の機会を与えていただきました事に感謝しております。午前の宮本先生の「インプラント周囲炎というものに対して、そもそも骨質からの視点が足りない」「骨質によっては起こるべくして起きているインプラント周囲炎がある」というメッセージを踏まえ、今後更にインプラント周囲炎を深く追求していきたいと思った次第であります。
続きましては光田斗夢先生の発表「~インプラント審美修復の失敗から学ぶ~ ベルギーゲント大学 ヒューゴ・デブルイン教授のサポートの下、上顎犬歯・小臼歯に連続埋入を行った1症例」を聴講いたしました。
現在、治療途中の症例の報告でしたが、治療計画の立案から、現在の状態に至る流れを、報告していただき、今後の治療方法の考察なども会場の会員の先生方とディスカッションする発表となりました。審美修復の落とし穴、小さな失敗が、後々で大きな問題になってしまう事もあるという事への注意喚起など、とても為になる報告をしていただき、自分自身の症例とも重ねながら話を聞く事となりました。ぜひ、今回の症例の続きを報告して頂きたいと思っております!
会員発表の締めは、札幌で開業されております北山康則先生の「2013年ベルギーゲント大学研修報告とコンピューターガイデッドインプラント治療の真実と事実」の発表でした。
ガイデッドサージェリーの治療精度に関しての報告は、とても勉強になりました。インプラント治療に限らず、真実と言われるものは実際には複数あり、本当の意味での「事実」が一つであることを考えると「真実」というものの受け止め方を考え直していかないといけないと感じた次第です。
精力的にインプラント治療に取り組まれている北山先生の発表、非常に刺激的でした!
例会の後は、I.O.R.総会も開催され、2013年を児玉先生の一本締めで気持ちよく締めて頂きました!
たった1日の受講で、ずいぶん多くの刺激を受けた例会となりました。来年もI.O.R.セミナーが多く開催されますが、年々ボリュームも内容も充実していくI.O.R.の勢いに乗って、自分自身も成長していきたいと思った次第です。 来年もまた、よろしくお願い致します!